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すまい方日記

絵本から見る住文化 -大人のためのもう一つの絵本の読み方- 

10月31日、NPO法人子どもと住文化研究センターの方々が「大人のための絵本の読み方」ワークショップを開催してくださいました。

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読んだ絵本はこの3冊

「かいじゅうたちのいるところ」

「いえのなかのかみさま」

「あべこべさん」

 

「かいじゅうたちのいるところ」では

子ども部屋の使われ方が日本と大きく違うところが読み取れます。

画面の大きさや、月の形、かいじゅうの足…いろいろな点に注目して読んでいきます。

 

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小さい頃この本をよく読んだという親子の参加者の方も、初めて気づいた!ということが沢山。皆さんからいろいろな解釈が飛び出しました。

 

「いえのなかのかみさま」は、日本の古い家屋にはいたるところにかみさまがいる。というお話です。

sumaoのすまいでも貼られているお札や、和室に備えられた床の間や仏壇スペースの話にもなりました。現代の生活では無くても済むということで、今、住宅を計画する時には省かれてしまうことも多い空間。sumaoでは仏壇はないので、気持ちだけご先祖様をお祀りしています。床の間も、掛け軸などないので、子どもの作品を飾るくらい。どちらも”なんちゃって”スペースですが、こういう気持ちと空間を引き継いで、住み継いでいくことの大切さ(貴重さ)にも気づかされました。

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お札は、わざわざもらいに行かなくても、何かと町内からいただくことが多いんですよね。新しいのが来てまた貼りかえるという感じ。

それから、かまどの神様である荒神さん。

sumaoで扱っているこのシュロのほうきは、「荒神箒」という商品名です。主に、かまど(京都ではおくどさん)のまわりを掃いていたからとか。

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こういう名前も残していきたいもののひとつだと思いました。

 

「あべこべさん」は、昼間はパジャマ、夜は正装して過ごすなど、なにもかもが「普通」とはあべこべな生活スタイルをもつ家族が主人公。くすっと笑っちゃうエピソードだけど、「普通」ってなんだろう?とか、違いを認めて共生することなど、いろいろ考えさせられる作品です。

 

最後に北浦かほる先生からは、「絵本は、外国や地域の文化、さらにその時代も反映されていて、そこの住文化が読み取れますよ。」とのお言葉をいただきました。

今日の参加者の方々は、子どもや孫に絵本を選んで読んであげる世代。選書の難しさや、読んだ後に子どもとどんな会話をしたらいいかなどを悩みながらも、楽しんで絵本と接しておられる方ばかり。今回のワークショップで更に楽しみが広がったのではないでしょうか。

 

北浦先生の研究をまとめた本「世界の子ども部屋-子どもの自立と空間の役割」「絵本に見る子ども部屋」は、sumaoにありますので、是非手に取ってごらんください。

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以前「住まいの絵本館」に訪問した時のレポートはこちら

 

 

 

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